土間の、下の方に冷たい風が吹いている。
またいつものように、こんな時間に仕事をする。すでに昨日である今日は、おとといの後遺症でたらりたらりとすぎてしまった。
写真を撮る。それが私の癒し。空を見る。瞑想のように、もうひとりの私は、遠い世界へ旅に出ているようだ。
久しぶりに、庭を散策したような気がする。久しぶりに見た、自分の分身の植木。ずいぶん前に枯らしてしまったと放置していた鉢のひとつが、少し紅葉していた。
「こいつは強いんだな」
一番手をかけていないこいつ。この植物は手をかけない方がいいと聞いたが、本当にそうだった。
むりむりと太ってほんのり赤くなっているこいつを、室内の煉瓦の上に持ってきてやった。
もう冬が来るから。
生き残ったものたちはひときわ愛しい。
小さな私の分身たち。
ありがとう。